台北帝大心理学関係資料

2005年11月9日に、台湾大学に出向き、心理学系と図書館に保存されている台北帝大時代の資料を簡単に見て参りました。
台北帝大時代には、心理学は、文政学部哲学科心理学専攻という形態になり。昭和3年から昭和18年まで学生を受け入れていたようです。
1996年出版の台北帝国大学研究
に、哲 学科の紹介があります。ただ、この雑誌は中国語で書かれており、PDFのファイルも(私のところだけかもしれませんが)一部文字化け があり判読不能になっています。

心理学系保存の機械類

心理学系の地下にある教室の棚(たな晒しになっています)に、4〜50ほどの古い計器類がおいてあります。保存状態はよくなく、関係者から聴いた話による と、いったん廃棄された物の中から拾ってきたようです。ほかのページに 写真を貼り付けました。もし機械類に明るい先生方で、写真だけでどのような機械だったか分かるようでしたら、教えていただければ幸いです。現在の台湾大学 心理学系の主任ももう少し積極的な保存法を考案したいといっております。連絡は、メールで私の方までよろしくお願いしま す。

台湾大学図書館の資料

台北帝国大学関係資料は、台湾大学図書館5階の「特蔵」地区にあります。
一番基礎的な情報は、昭和3年から18年まで出版された、台北帝国大学一覧です。この一覧によりますと、哲学科には初めから心理学講座があり、担当の教員 は、教授飯沼龍遠、助教授力丸慈圓(クラーク大学、ドクトル・オブ・フィロソフ井ー)、助手藤澤しげる(草冠に仲)の三名。昭和16年に飯沼教授退は退官 された模様で一覧に見当たらず、力丸助教授が教授に、藤澤助手が助教授に昇進している。
一覧の中に学生の名前も見当たりますが、哲学科には五つの専攻(東洋哲学、西洋哲学、心理学、教育学、倫理学)がありますが、一覧には学生の専攻まではあ りません。昭和3年から18年まで39名の入学者がありましたが、18年の一覧では、昭和18年9月までに12名の卒業生しか数えることができません。
幸いに、文政学部の一部書類が保管されており、成績表、履修科目表などもあり、そこから学生の専門が判明します。今回は時間の関係で、その一部しか閲覧で きず、分かったのは昭和17年10月入学の哲学科15名のうち3人が心理学専攻ということです(金平文二 岡山、關口博司 兵庫、野西惠三 広島)。
文政学部哲学科は昭和9年より哲学科研究年報を出版しており(台湾大学図書館に復刻版があります)、ほぼ毎年心理学専攻の教員の論文が掲載されています。 例えば、第一輯には、飯沼教授、力丸助教授、藤澤助手の共著の「高砂族ノ形態ノ記憶ト種族的特色トニ就テ」;第三輯には、藤澤助手の「色彩好悪ト色彩記 憶ー関係竝ニ民族的現象ニ就テ」などがあります。
また、昭和6年卒業の中川彌一氏の学士論文(手書き製本)「能面表情の心理学的研究」が保管されてありました。
ただし、これらの資料は、コピー版復刻版以外は、紙質に問題があり、コピーはもとより、閲覧にも規制があります。また、コピーは図書館員で無ければできず、ページ当たりのコストも高くなります。

関係リンク

日本性格心理学会  電子資料館(歴史的資料)台北帝国大学
心理学専攻修士論文要約/任玉梅/心理学史における中国と日本の関係
---台湾大学の心理学研究室を中心に---

Academia─台北帝國大學研究
心理学系保存機械類写真(rarフォーマット約7MB)